2013年7月9日火曜日

弦楽器のはなし

こんにちは、UKです。定演まで3ヶ月と3日です。
私がぼやいたところで何も変わらないのですが、暑いですね...。
誰かがこのブログに涼しげなことを書いてくれることを願っています。

さて、梅雨明け以降すさまじい暑さと湿気が日本を訪れているわけですが、オーケストラをやっている身としては暑さばかりも気にしていられません。
そう、湿気です!

冬は管楽器のみんなが「音が出ない!」と言いながら楽器を暖めているのをよく目にしますが、(私も含む)弦楽器奏者の大敵は寒さよりも湿度の変化です。

ちょっと説明しますね。
弦楽器は見ての通り木で作られています。金属のパーツは弦やらチェロとコンバスのエンドピンやらといった附属品だけで、本体はすべて木を組み合わせて作られています。本体の縁取装飾をしている部分の細い線でさえも木を削って埋め込んでつくることが多いようです。
そんな楽器ですから、「呼吸」をしています。
空気中の水分を吸ったり、吐いたり。

で、そうやって呼吸をしている(多分ここまでは木管楽器も同じですが)弦楽器が高い湿度の中にさらされるとどういうことになるのかといいますと...

最悪の場合、壊れます。

えええ~~~!?と管楽器の人にはよく言われますが、これは誇張でもなく実際によく起こっていることなんです。実際、涼しい外国からこの時期に演奏会のためにやって来たプロ奏者のバイオリンが壊れたり修理が必要な状態になったりした事例が山のようにあるそうです。

これは弦楽器が木であるという以上に大きな特徴による影響です。
弦楽器はパズルのように組み合わせたパーツをニカワを使って接着しています。
このニカワ、修理のときには熱で溶かしたりできるような素材なんです。
つまり...熱+水分という条件は、弦楽器にとって最悪の条件なんですね。
いやあ怖い。

もちろん私たちが使うのは普段から日本で使っている楽器なので楽器自体が日本の気候にある程度「慣れて」くれてはいますが、それでもやはり大切な楽器のことは心配です。

楽器が壊れることは稀だとしても、音色は本当に大きく変わります。
その日その日で調子を見ながら優しく扱ってあげたいものです。
大切な楽器、末永く付き合っていきたいですからね。

ではまた!

1 件のコメント:

  1. M田高では湿気でコンバスの裏の板が2台も外れたらしいですね……
    日比谷ではそんなことがないように気をつけて下さいね。やりくりするのも大変なんですからっ!

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